top of page
pexels-mohammad-danish-891059.jpg

CBD研究紹介

不安障害や睡眠障害への効果認証実験(2019年1月)

引用:Cannabidiol in Anxiety and Sleep: A Large Case Series

http://www.thepermanentejournal.org/issues/43-the-permanente-journal/original-research-and-contributions/6960-cannabidiol-in-anxiety-and-sleep-a-large-case-series.html

全体像

背景:CBD(カンナビジオール)とはカンナビスに含まれる多くのカンナビノイドの1種であり、意識を朦朧とさせたり、いわゆる”ハイ”にさせることはないとされている。統合失調症、不安障害、てんかんを含むいくつかの精神神経疾患に対し、CBDの持つ有用性についての臨床前及び臨床的証拠が近年急増している研究文献にて明らかになってきており、中枢神経系において沈静効果があるということを示している。幅広い疾患や障害においてCBDを用いた治療の需要が急速に高まってきているが、精神医学的に見た資料の臨床研究の数は少ないのが現状である。

目的:CBDが睡眠と不安感の両方もしくはどちらか一方を改善させる効果があるのかを測定する。

 

計画:精神科診療所において睡眠や不安感の訴えに対し、通常の治療に加えCBDの臨床応用を含む大規模な回顧的症例シリーズ。103人の成人患者における不安感や睡眠の質の毎月の情報管理を含む回顧的チャートの報告。

 

主要転機尺度(main outcome measures):有効手段を用いて治療開始前後の睡眠と不安の数値

対象者:不安もしくは睡眠に問題を抱えている成人72人

結果:最初の月で57人(79.2%)が不安感が軽減され、実験の期間それを保った。

睡眠の質は最初の月で48人(66.7%)に改善が見られたがその後上下動が見られた。

 

結果:最終研究対象者は、一番の懸念点を不安感と申告した人(n=47)と寝不足と申告した人(n=25)を合わせた72人。不安感数値は初月で57人(79.2%)に低下が見られ、研究期間中その数値を保った。睡眠の質は初月で48人(66.7%)の患者に改善が見られたがその後変動した。

 

結論:カンナビジオールは不安感に関連する障害において有効性を持つ可能性があるが比較臨床試験が必要である。

方法

計画と手順:

外来患者向け精神病診療所にて、成人の精神病患者に対し、通常の治療に加え、不安感や睡眠の質向上のためCBDを用いて行われた。メンタルヘルス専門家(精神科医、精神科看護師、もしくは準医師資格保持者)により不安障害もしくは睡眠障害と診断された人を対象。診断はbaseline psychologic measuresに沿って臨床評価によってされた。この診断は毎月繰り返された。今回の実験の対象は上記2種の障害に対しcbd用いて最低1ヶ月続け治療することに同意した人。参加者には通常の精神治療と投薬とともにCBDを提供した。

ほとんどの参加者には一日25mg CBDをカプセルに入れて摂取してもらった。

不安感を持つ参加者には毎朝食後に摂取してもらい、睡眠に問題がある参加者には毎夕食後に摂取してもらった。

少数の参加者には1日50mgもしくは75mgを摂取してもらった。一人の参加者はトラウマとなる経験を持ちが統合失調性感情障害を抱えており、摂取量を1日175mgまで徐々に増やした。

設定と対象:

コロラド州フォートコリンズにある、薬と精神医学の統合的な治療を専門としているWholeness Centerにて実施。

上記クリニックにて103人の成人が対象。103人の内82人(79.6%)が不安障害もしくは睡眠障害と診断された。統合失調症、PTSD、激越性鬱症と一次診断された人、もしくは上記のみの障害を抱えている人は今回の実験では除外された。

10人の参加者は通院1回のみで事後評価が記録されていないのでこれも除外された。

最終的に、不安感を抱えている人(65.3%)と睡眠不足を感じている人(34.7%)でCBD処方後に少なくとも1回は通院した72人を対象に研究した。

主要転機尺度(main outcome measures):

睡眠不足を感じている参加者へは毎月の通院時にてPittsburg Sleep Quality Indexを用いて記録を取った。Pittsburg Sleep Quality Indexとは1ヶ月単位での睡眠の質を測定する自己報告測定である。睡眠関連問題の分野において関連付けられ測定に有効であるとされている19の項目をからできている。それぞれ0-3でスコアがつけられ、最終スコアは0-21で測定する。数字が大きくなればなるほど睡眠関連の不安を抱えているということを示す。スコアが5以上で寝不足ということを示す。

不安感レベルは毎月の通院時にThe Hamilton Anxiety Rating Scaleを用いて記録を取った。The Hamilton Anxiety Rating Scaleとは1959年に初めて導入され不安に関する懸念点を幅広く網羅している。スコアは0-56で測定され、17以下は軽い不安、25以上は重度の不安を抱えているということになる。

結果:

不安障害を抱えている参加者の平均年齢は34歳(18ー70歳)で睡眠障害を抱えている参加者の平均年齢は36.5歳(18-7歳)であった。72人全ての参加者は睡眠と不安の測定をCBD 治療の後と1ヶ月後の事後評価を完了した。2ヶ月後の事後評価では41人(56.9%)の患者がCBD治療を続け測定を完了し、27人(37.5%)の患者が引き続きCBD 治療を続け3ヶ月目の測定を完了した。

CBD 治療を始めた初月の測定では、79.2%(57/72)の患者が不安感の軽減を実感し、66.7%(48/72)の患者が睡眠の質の改善を実感した。

逆に、15.3%(11/72)が不安感、25%(18/72)が睡眠の質が悪化したと報告した。

CBD治療開始2ヶ月後の測定においては、78.1%(32/41)が不安感軽減、56.1%(23/41)が睡眠の質の向上を実感した。

また同じく、19.5%(8/41)が不安感、26.8%(11/41)が睡眠の質が先月と比べて悪化したと報告した。

bottom of page